『アメリカン・デモクラシーを根底で支えてきたのは・・・』

アメリカン・デモクラシーを根底で支えてきたのは、対立する政党間の「寛容」と「自制心」だった』<2018年11月8日(木)>
 本日は、アメリ中間選挙の結果を各紙の思いを述べている。『春秋』(181108)は、まずホラー小説の巨匠スティーブン・キングの言葉を紹介する。「キングの考える恐怖の質はひとことで言ってしまうなら『絶望』である」。そして「すべてを敵と味方に色分けし、容赦なく相手を攻撃する大統領の言動が社会の亀裂を深めたようにみえる。・・・キングの小説さながら、人々が絶望という名の恐怖にすくむ終章は見たくない」。『余録』(181108)は、トクビルの言葉を紹介する。「米国の民主主義は権力を委ねるべき人間の選択をしばしば誤る」。また「米国人の大きな長所は、失敗を正すことができるところにある」。そして「大統領権力の大きい外交で今後どんな手に出るのか。取り返しのつかぬ国際政治の『失敗』を考えれば空恐ろしい」。『筆洗』(181108)は、「世界的に注目を集めた中間選挙は、上下院の多数派が異なる『ねじれ』を招くことになった。政治の世界では『決められない』といつもセットで語られる。いい意味では使われにくい言葉だが、今回は何事も『簡単に決めるな』という建設的なメッセージに思える。世界各地で、一国主義的な指導者を選び、力を与えてきた民主主義である。見捨てたものではないとも思える」。
 (JN) 日本の参院と異なり、米国の上院はそんなに大幅な変化をもたらさないようだ。下院は民主党過半数を取り、少しトランプ大統領の暴走を緩めることができるようになろうが、上院は共和党のが過半数を取っている。トランプ大統領は大きな変化をもたらそうとしている。その暴走を食い止めるのは、下院にあるだろうが、上院の共和党員の常識に期待をせざるを得ないであろう。そして、国民自身が対立の中で「『「寛容』と『自制心』」を取り戻さねば、世界中での暴走を促進してしまう。2年後までに、米国や世界はどうなっているであろうか。