参拝で波風を立てるより、あらためて靖国のあり方を問う

(日経「春秋」2013/4/24付) 物言いはズケズケ、ちょい悪ファッションで若者にも人気、副総理で財務相麻生太郎さん、海外でもなかなかの存在感だという。首相を務めた人の余裕でもあろう。かように注目される大物なのだから、ここは自重する手もあったはずだ。しかし遠慮は美徳ならざるのが麻生流か、春季例大祭にあわせて靖国神社を参拝し、中国や韓国の反発を招いている。きのうは国会議員168人が集団参拝した。日本を破滅の淵に追いやったA級戦犯合祀(ごうし)の事実はとりわけ重く、昭和天皇もそれゆえに参拝を避けられるようになった。心静かに、戦没者の霊に向き合いたい国民はたくさんいるだろう。参拝で波風を立てるより、あらためて靖国のあり方を問うてみたほうが天下の副総理にふさわしい。
(JN) みんなでやれば怖くない。馬鹿に威勢よく儀式を行っているが、戦没者の霊に本当に向かい合い、こんな戦争を二度と起こすまいと思われているのか。御霊を偲ぶなら、またみんなで行いたいなら、国会の中でもできよう。いや、一人静かに向かい合うべきではないか。なぜ態々、ことを拗らせるのか、政治家にはもっと考えてもらいたい。諍いを少なくせよ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO54324030U3A420C1MM8000/