一人の生命は地球より重い

(日経「春秋」2013/1/19付)  ある人は「ミスター・マールボロ」と名づけた。密輸にしろ身代金目当ての誘拐にしろ、卑劣な手段でテロ資金をかき集める能力の高いことが、うかがえよう。テロリストたちが人質の一部を連れて脱出しようとしたので、軍事作戦を発動せざるを得なくなった――。テロリストたちが新たな資金源を手にするのを最も警戒したのかもしれない。とはいえ釈然としない気持ちは拭えない。1977年、日本赤軍によるハイジャック事件に直面した福田赳夫首相の言葉が思い浮かぶ。「一人の生命は地球より重い」。人質の安全か、法秩序の維持とテロの制圧か。恐ろしいまでに難しい判断。テロを憎む思いが募る。
(JN)  水に流す日本人、和を重んずる日本人には、正面から戦うことが難しい。これまでの日本であれば、それで良かった。しかし、今の時代はもう対応できない。国内の犯罪に対しても同様である。多様な時代、はっきりした行動が問われる。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50758660Z10C13A1MM8000/