不要不急とは何なのか 240229

自民党議員の裏金リストに『天声人語(240228)』は改めて怒りが湧いてくると▼この国で、大事にされる日常とはなんだ。不要不急とは何なのか▼小田嶋隆さんいわく、天皇誕生日の式典であり、音楽や演劇といったイベントであり、プロスポーツの試合▼では必要不可…

人もクマも平穏に暮らせるようになるチケット 240228

マーラーは早朝決まった時間に起きると、すぐに森の中の作曲小屋に入るのが日課だったと『編集日記(240226福島民友)』はクマの目覚めを思う▼マーラーは朝食を取った後は正午まで作曲に集中した。家族はその間、小屋に犬の鳴き声が響かないよう、近所の人にオ…

読書メモ 240227

『痛風の文化史 Gout』、Roy Porter、G.S.Rousseau、石塚久郎(訳)、青柳伸子(訳)、2023年12月、作品社。痛風とは人々にとって何であったのか?なぜ、足や膝に発症するのか、未だに明らかになっていない。上流階級の病気? 贅沢病?ニュートンも悩まされ…

パクス・アメリカーナ崩壊 240226

国内の分断・対立は、米国の世界覇権の後退を招くと『大観小観(240225伊勢新聞)』は米国を思う▼ギボン『ローマ帝国衰亡史』では、ローマの繁栄は新市民となった移民が支えたが、ゲルマン民族などが帝国内部に深く入り込むと、分断と対立が激化してパクス・ロ…

猫オフィス 240225

ペットとどう過ごすべきか、年初から悩ましい事態が続くと『春秋(240225)』▼俳人の金子兜太さんが、オフィスで猫を放し飼いにしたらどうかと。靴にじゃれついたり、膝に座って来客に対応したり。職場が和むと▼でも、動物が苦手な人も。ましてや非常時ともな…

株価に見合う豊かさを 240224

日経平均が1989年の史上最高値を超えたことに『春秋(240223)』は思う▼デビッド・ボウイは冷戦を象徴するベルリンの壁の近くでコンサートを開いた。歌った曲は「ヒーローズ」▼壁の向こう側の東ドイツではこのとき、ボウイの歌を聴こうとたくさんの市民が集ま…

 コンサート・メモ 240223

マーラー:交響曲第10番 嬰へ長調(デリック・クック補筆版)』・東京都交響楽団、指揮/エリアフ・インバル・日時:2024年2月22日(木) 14:00開演・場所:東京芸術劇場コンサートホール ・インバル、金管楽器を抑え気味か。長い、重い、疲れた。マーラーが…

読書メモ 240222

『老いの生き方』、鶴見俊輔(編著)、2021年11月、筑摩書房。老年になっても判断を退化させるな。新たなことにトライせよ。学びも、趣味も、止めない。過去を守るな。

旅立つ若者たちに幸あれ 240221

卒業シーズンに『天声人語(240220)』は思う▼『ドラえもん』ののび太は、何度もつまづきながら、決して人生をあきらめな▼作者の藤子・F・不二雄さん、「挫折しても明るく夢を見続ける『自分を見捨てない人』に共感してほしい」と▼卒業からの一歩で残りの人生…

ロシアはファシズムの国になりつつある 240220

ナワリヌイ氏が獄中死に『余録(240220)』は思う▼「ロシアはファシズムの国になりつつある」。「プーチン大統領は同胞たちによそ者を憎むようにプログラムした」「彼はウクライナを放っておかないだろう」。ロシアの行く末を危ぶんだのは野党指導者、ネムツォ…

観客のありがたさ 240219

4年前の今ごろの滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールの恒例のオペラの公演を『余録(240219)』は思う▼公演を10日後に控えていた。演目はワーグナー「神々の黄昏」▲政府の中止・延期を要請から2日後、中止を決め、無観客での上演と映像化を▲無料のライブ配信は世界30…

月世界の物語が膨らんでいく 240218

SLIMの月への着陸に『春秋(240218)』は思う▼優れた科学者とは、優れた「物語」の作り手である。アインシュタイン。時間の進み方が場所によって違うなんて▼いまでは日常の言葉になった「ブラックホール」。博士がいなかったらその存在は予見できなかったろう…

読書メモ 240217

『疫病と人類知 新型コロナウイルスが私たちにもたらした深遠かつ永続的な影響』、Nicholas A.Christakis(ニコラ・クリスタキス)、庭田よう子(訳)、2021年5月、講談社。・新型コロナウイルス対策としてのロックダウンにより地球は静止した。人類の活動が…

芸術との出会い 240216

福島市の県立美術館の「福島アートアニュアルに『あぶくま抄(240216福島民報)』は思う▼川端康成は、無名だった当時の芸術家草間彌生さんの作品を所蔵していた。1955年、水彩画を2点買った▼東京・銀座で開かれた小規模な個展にふらりと立ち寄ったという。川端…

二階氏にも提案してみたい 240215

二階俊博元幹事長の多読ぶりが明らかになったと『談話室(240212山形新聞)』▼井上ひさしさんは執筆の資料として大量の書籍を買い集め、その重量で自宅の床が抜けるという体験までしている。これぐらい大胆な買い方を続けなければ蔵書13万冊には達しない▼自民…

義理チョコ 240214

バレンタインデー、義理チョコに『大観小観(240212伊勢新聞)』は思う▼漫画家・いがらしみきおさんが本紙連載でバレンタインデーについて書いていた▼同じ感覚になったことを思い出す。自分は女の子からチョコをもらって喜ぶような軟派じゃないんだという硬派…

カレーの精神 240213

2月12日のレトルトカレー誕生の日に『小社会(240212高知新聞)』は思う。1968年、大塚食品が誕生させた「3分間待つのだぞ」のボンカレー。発想のきっかけは、米国の真空パックのソーセージにあったと。小菅さん桂子さん著「カレーライスの誕生」には、〈他の…

メジロがちょんちょん 240212

暖冬に『天声人語(240212)』は思う▼<あらたまの年たちかへる朝より待たるる物は鶯の声>。暖かな日々の到来を、人はいつも心待ちにする▼とはいえ今年は少々とまどってしまう。訪れがあまりに早いのだ。はや咲誇る梅の枝をメジロがちょんちょん渡り歩いていた▼…

さようなら、小澤征爾さん

『筆洗(240211)』は、小澤征爾さんを偲ぶ▼才能と努力に培われた音楽家としての土台と、小澤さんという人間としての大きな魅力に人が手を貸し、巨匠への道を後押ししたか。そして、ときに助けられた小澤さんの振るタクトには人間の善を信じる強く、美しい心が…

魔法のタクト1本で国籍を溶かし国境をひょいと飛び越える 240210

『天声人語(240210)』は小澤征爾さんを偲ぶ▼「中国で生まれて日本で育った僕」。日中戦争の悲惨な歴史を振り返り、ときに目を真っ赤にして指揮台に立っていた▼日本人にバッハが分かるのか。欧米では差別や偏見が珍しくなかった。自分は何者なのか。どこから…

遠い吉田流 240209

麻生太郎の上川陽子外相の容姿や年齢をあげつらった発言とその撤回に『小社会(240205高知新聞)』は思う。吉田茂元首相は失言も多く残る。「ワンマン」「傲慢」と批判される一方では、当意即妙のユーモアによる親しみやすさがあった。孫の麻生太郎が毎年のよ…

国民は忘れずにいたい 240208

「記憶はない」と繰り返してきた文科相の盛山正仁氏に『天声人語(240208)』は思う▼シャーロック・ホームズは物忘れの天才。いわく人間とは「小さな屋根裏部屋」▼「だから、無用の知識はどんどん忘れて、有用な知識の邪魔にならないようにする」▼ひょっとする…

やなせさんの思い 240227

2月6日のやなせたかしさんの誕生日に『小社会(240206高知新聞)』は思う。1919年に香美市香北町に生まれた。「人のために何ができるかをいつも考えている」「まさにアンパンマンを地でいく人」やなせさんは亡くなる2年半余り前、東日本大震災。90歳を超え、引…

エコノミークラス症候群への注意 240206

冬の健康を『北斗星(240205秋田魁新報)』は思う▼能登半島地震で避難生活を送る人々に対しては「エコノミークラス症候群への注意」が繰り返し呼びかけられている▼冬は外出が減り、ストーブのある部屋からあまり動かない―。屋内で小まめに歩くように努めること…

厄介ものから宝に変える 240205

竹林面積の拡大に『編集日記(240204福島民友)』は思う▼食用で一般的なモウソウチクの旬は3~5月。タケノコ狩りが待ち遠しい。あっという間に繁殖する竹の間引きにも一役買っていると思うと、気分も上がる▼林野庁によると、県内の竹林面積は2022年度調査で10…

梅に鶯、政治にカネ 240204

きょうの立春に『明窓(240204山陰中央新報)』は思う▼<雪解や春立つ一日あたたかし>(正岡子規)▼ウグイスには「春告鳥」の異称、春になると産卵のため沿岸に近づいてくるニシンやメバルは「春告魚」。魚へんに春と書くサワラ(鰆)も瀬戸内などでは「春告…

コンサート・メモ 240203

「ヴィジュアル・オルガンコンサート223」(オペラシティ)に行ってきました。体調不良が続き、コンサート2回行けませんでしたので、3カ月ぶりでした。都築由理江さんによるパイプオルガン演奏、空気の振動に浸ってきました。バッハ:フーガト長調BWV577マス…

能登とあなたも私もつながっている 240202

金閣寺の金箔の下には、漆が丹念に塗られていると『春秋(240201)』は輪島塗を思う▼漆塗りは美しいだけではなく、耐熱や耐水、抗菌に非常に高い効果を発揮する▼例えば輪島塗の技は、佐賀県の「唐津くんち」に生きている。漆塗りの巨大な曳山、その一つ「鯱」…

『お金と人事のための集団』 240201

参院予算委で野党議員が用意したパネルの裏金の表記に自民党が注文をつけ、カッコを付けたことに『余録(240131)』は思う▲面妖な話だ。裏金だろう▲岸田文雄首相も施政方針演説の原稿で「政策集団が、いわゆる『派閥』、すなわち『お金と人事のための集団』と…

読書メモ 240131

『疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた』、近藤一博、2023年12月、講談社。ウイルス、HHV-6の量で疲労を測定疲労感は炎症性サイトカインの脳への働きかけストレス対応(HPA)は、警告反応期、抵坑期、疲憊期(疲労困憊)疲労とビタミンB?(アリナミ…