#原爆というあまりに大きな敵

『#原爆というあまりに大きな敵』<2022年1月7日(金)>
 「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」。米中ロ英仏の核保有五大国が共同声明に『河北春秋(220106河北新報)』は思う。海に向かう斜面にポツンと立つ空き家。外科医が買うと老大工が改築を請け負う。作業中に倒れ白血病であることが分かる。広島にいたかと問うとうなずく▼『やり残しの家』(手塚治虫ブラック・ジャック」)▼高らかな平和宣言かと思いきや期待外れのようだ。核不拡散体制への協力をアピールする狙いがあるらしい▼ブラック・ジャックは懸命に治療を施すものの「原爆というあまりに大きな敵」に勝てず転院を勧める。「(必ず戻って)やり残しの所をちゃんと仕上げる」と大工。天才医師は家を建て替えず約束を守る▼声明発表は核禁止条約の発効など国際世論のうねりが影響したとの声もある。広島、長崎の被爆者の願いは大きな力になったはず。共同声明を人類の「約束」に。唯一の被爆国政府の英知が試される。
 (私たちには)様々な自由がある。核爆弾はピストルと同じように所持する自由があるのだろうか。この現実の破壊力と未来の破壊。使わないというなら、つくらなければよい。「博士の異常な愛情または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」が現実となるのか。この愚かな状態をブラック・ジャックは治すことはできない。
#核戦争
#核不拡散
#やり残し
#老大工
#ブラックジャック

*画像は、手塚治虫ブラック・ジャック」『やり残しの家』より。

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#オリーブが教えようとしている

『#オリーブが教えようとしている』<2022年1月6日(木)>
 エジプトで、オリーブの昨年の収穫量が前年より五割以上減少。これに『筆洗(220105)』は思う。オリーブはハトと並び、平和の象徴とされる。国連旗にもオリーブの葉が描かれる。由来は、「ノアの箱舟」の話という▼箱舟に乗ったノア。水が引き始めたため、状況を確かめようとハトを放ったところ、新しいオリーブの葉をくわえて戻ってきた。洪水が終わって平穏が訪れたことを、オリーブが知らせた▼記事によると、前年の冬場の気温上昇が原因らしい▼背景として疑われるのはやはり、地球温暖化。地中海沿岸では近年、乾燥によってトルコの小麦の生産量が落ち込んだり、スペインで農地が減少したりと他の異変も報じられている▼現実世界のオリーブが教えようとしているのは、旧約聖書のそれとは逆に、厄災の予兆…。
 (私たちの)自然への挑戦には、その返礼が待っている。悪意も感謝もなく、ただ変化がやってくる。この地球温暖化は、今後、地球上の生き物にどんな影響を与え、それによりまたどんな変化が起きるのか。南太平洋サンゴ島でツバルは本当に沈んでしまうのか。美味しい米が日本では収穫できなくなるのでは。魚はどうなる。オリーブが小豆島ではなく北海道でつくれるようになろうか。
#エジプト
#オリーブの収穫量
#平和の象徴
#ノアの箱舟
#地球温暖化

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#努力を続けられる熱意

『#努力を続けられる熱意』<2022年1月5日(水)>
 きょうが命日の日清食品の創業者、安藤百福さんを『有明抄(220105佐賀新聞)』は思う。48歳で「チキンラーメン」を開発。「カップヌードル」の開発に成功したのは61歳の時◆チキンラーメンは発売から60年を超え、カップヌードルは昨年9月で発売50年を迎えた。晩年も情熱は衰えず、91歳の時、「宇宙食ラーメン」に取り組んだ◆ひらめきは常に仕事を意識し、観察しないと得られない。そして、ひらめきを形にするには努力の継続が大切、ということを教えてくれる。つまり、努力を続けられる熱意を才能というのだろう◆きのうは「仕事始め」の人も多かっただろう。課題を抱えて越年した人もいるかもしれない。でも、熱意で解決できると信じ、新年の仕事スイッチをオンにしよう。
 (私は)どれだけインスタントラーメンを食べてきただろうか。百福さんがいなかったら、何をその代わりに食べていただろうか。日本にいる人々はどうだろうか。「インスタントなど、食べられるか」という方もおられようが、チキンラーメンに始まるインスタント料理の発展は素晴らしい。百福さんに感謝感謝。
#安藤百福
#チキンラーメン
#カップヌードル
#宇宙食ラーメン
#ひらめき

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#正月の風景

『#正月の風景』<2022年1月4日(火)>
 永井荷風の日記によると100年前の1922年(大正11年)の東京は厳しい寒波に見舞われていたと『春秋(220104)』。そして、散歩の様子を紹介し、また今を思うする。▼2日は銀座風月堂で昼食をとり、亡父の墓参り、4日も銀座の街をぶらつく。「銀座通も人影なし」と記す。▼年が改まった列島は、寒気の影響で平年を上回る積雪を記録した地域も。荷風せんせいにならい、きのうは東京の街を歩いてみた。銀座には、歌舞伎座の新春興行を目当てに美しい和装の人々。百貨店mの駐車場も混雑していた。▼JR四ツ谷駅前の教会には長い列。支援団体が生活困窮者への弁当を配布。紙おむつなどを受ける若い女性の姿がみられた。荷風の日記を子細に読めば、盲目の納豆売りなど困難な境遇の人の生きざまも記憶する。後世に伝えるべき今年の正月の風景である。
 (私も)正月の散歩に出た。時間にもよるだろうが一日は静かな街であった。二日は久しぶりに親の顔を見に都心へ出た。列車内は座れる余裕があった。東京を離れた人々が多くなったのか、自粛はまだ続いているのか。昨日は、隣の駅まで歩いた。行く道は人が少なかったが、大型店舗の中は結構な人であった。店舗内の書店は私のような暇なじいさんが多数。コロナ感染者数は増加しているが、街は賑やかになって行くのであろう。
#永井荷風
#日記
#銀座
#散歩
#生活困窮者

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#富が集中する

『#富が集中する』<2022年1月3日(月)>
 1年の回顧に当たり『金口木舌(211230琉球新報)』は、たびたび目にする「金字塔」を思う。元々はピラミッドのことを指す▼何ともいびつなピラミッドだ。経済学者トマ・ピケティ氏らが運営する「世界不平等研究所」の報告では、世界上位1%の超富裕層の資産が世界全体の個人資産の37・8%を占め、下位50%の資産は2%にすぎない▼アベノミクス、「トリクルダウン」が期待されたが、格差は縮まっていない▼コロナ禍で景気が悪化し働き口を失った人がいる一方、株価は高値を維持し、投資できる資金を持つ者にますます富が集中する▼機会均等を妨げ、社会秩序の根底を脅かしかねない富の行き過ぎた偏在を、これ以上放置してはならない。新たな年こそ、沖縄から格差の根本的な是正という金字塔を打ち立てねばなるまい。
 (私たちは)今度、新資本主義に期待をせねばならないのか。以前は分配を強調していた首相、富の圧力で新資本主義というようになった。資本主義の破壊力は強い。政治が安定と分配を考えねばならないのに、それができない。新資本主義は低所得の裾野を広げて行くのだろうか。分断は進むのか。
#金字塔
#ピラミッド
#超富裕層
#アベノミクス
#社会秩序

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#事故のない世の中へ

『#事故のない世の中へ』<2022年1月2日(日)>
 歩行者と新旧さまざまな乗り物が道路上を行き交うことに『地軸(211230愛媛新聞)』は思う。脱炭素化の流れもあり、電動の乗り物の開発が進む。利用者が急拡大しているのがキックボード。手軽な乗り物だが、現在は運転免許が必要で違反の多さも気がかり。今後、安全確保には新たなルールがいる。警察庁が道交法改正を検討中で、電動の乗り物は速度や大きさで分類する方針だ。歩行者や自転車のすぐ横を、速度を緩めず通り過ぎる運転者は多い。信号機のない横断歩道を渡ろうとしても…。安全性を含めて乗り物が進化し、ルールが整備されても、弱い立場への思いやりがなければ安心できる交通環境は実現できない。事故のない世の中へ近づくために、自戒を込めて思う。
 (私のような)歩き派には、スピードを出して走る自転車にハラハラする。狭い道や歩道での走り方を考えてもらいたい。新たな電動車両の規制とともに、自転車の運転に対する指導が必要だ。細かい規制ではなくマナーだ。互いを理解し合い自由に行き来できる社会でありたい。良い年にしよう。
#歩行者
#脱炭素化
#電動の乗り物
#キックボード
#自転車

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#富士の高嶺

『#富士の高嶺』<2022年1月1日(土)>
 富士山を見て『天声人語(220101)』は初夢を思う。社機から富士山を見た▼<石の体驚奇なり。あたかも蹲虎の如し>(都良香/平安時代漢文学者)。うずくまった虎のような奇岩が富士山頂にあると▼富士山は平安時代を通じ、幾度も火を噴いた▼その富士山が久々に暴れたのは江戸時代。1707年の宝永噴火だ▼「子どものころ休火山と習いましたが、いまも現役の若い活火山。警戒が必要です」(市川章子さん/富士山解説員)。富士の全史は数十万年に及ぶ。それに比べれば、江戸から続く静穏の300年など、短めの昼寝、あるいは瞬時のうたたねのようなものか▼<駿河なる富士の高嶺は見れど飽かぬかも>。奈良時代を生きた高橋連虫麻呂は霊峰をそうたたえた。トラの背にまたがり、富士山頂でコロナ撲滅宣言を聞く。そんな縁起のよい初夢を見たいものである。
 (私たちは)睡眠とともに夢を見ているのであるが、それを覚えていることが私は少ない。富士山の夢を見たことがあろうか。その昔、日本沈没を見た夜に見ているかもしれない。この活火山、いつまた噴火を起こすのか。夢でその場面に遭ってもいいが現実は困る。今夜の初夢は如何に。皆様、本年もよろしくお願いします。
#富士山
#虎
#活火山
#霊峰
#初夢

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